オステオパシー施術

当院ではアメリカで発祥した伝統的なオステオパシーという医学・哲学を基に施術を行っております。

 

オステオパシーという言葉は日本ではまだ馴染みがなく、知っている方が少ないのが現状です。しかし、アメリカをはじめカナダ、ヨーロッパでは西洋医学（現代の医学）と同様に多くの方がオステオパシー医学の恩恵を受けています。

 

最近ではプロテニスプレイヤーの錦織圭選手が手首の手術回避のためにオステオパシー施術を受けたり、フィギュアスケートの羽生弓弦選手がオステオパシー施術を受けたことでも話題になりました。

 

オステオパシー施術では、痛みのある部位のみを調整することはまず皆無に等しいでしょう。１つの病気や症状に対しての施術ではなく、１人の人間がなぜ病気になったのか？という視点による、言わば人間の生命そのものに対して行われる施術であり、人間全体を考えた医学であると言えます。その視点によって人間の構造（筋膜・骨・血管・内臓・神経・リンパなど）全てが評価対象となり、あなたを悩ます身体の問題を引き起こしている「原因」に対して施術が行われます。

 

痛みの原因は痛みのある所にあるとは限りません。自身では気づかないようなわずかな組織の歪みや制限がつながって、そこから離れた所に肉体的ストレスが及んで痛みとして現れます。なので、痛みのある部位だけに施術をしても解決できないことの方がはるかに多いのです。

 

オステオパシーでは、頭から手足までつながっている膜によって、筋、骨、血管、内臓、神経、リンパなどあらゆる組織が影響を受けると考えます。この膜の繋がりがあるため、普段の悪い姿勢、骨折や捻挫、関節のずれ、手術などによって筋膜が捻じれ、膜を伝って他の部位にも影響を及ぼします。最終的に過剰なストレスがかかっている場所の組織の血液循環が不良となり、痛みや不快感などの症状として現れます。施術者は膜の捻れの根本を探し出し、そこがうまく機能するよう施術をします。そうすると膜の捻れが取れて、離れた場所の過剰なストレスが減り、症状が改善して行くのです。

 

人間の身体は常に健康を維持しようと働いています。人間の本来持っている治癒力（生きようとする力）が発揮できる状態に誘導するのが施術者の役目であり、施術後はあなた自身に備わっている治癒力によって正常な状態（痛みのない状態）へと自然に戻って行くのです。

 

 人間の治癒力は偉大です。病気はあなた自身で治せます。

 

「オステオパシーの誕生」

オステオパシー医学は1874年にアメリカ人医師アンドリュー・テーラー・スティルにより創始されました。オステオパシーという言葉の語源はギリシャ語の「Osteon（骨）」と「Pathos（病理・療法）」という２つの言葉から成る造語で、「骨の性質を利用した治療法」という意味を持ちます。

スティル医師は、妻と子供３人を当時流行していた髄膜炎により失うという悲劇に遭いました。そして、髄膜炎の流行の中で亡くなる人もいれば、医療を受けずに助かる人がいるのはなぜかと考え始めます。

スティル医師は当時の医学には何が足りないのかを追求しました。検体をひたすら解剖し、その解剖を元に独自の医療を探し続けます。そこで身体は筋膜、内臓、血管、神経など頭のてっぺんから足の先まで全てつながっており、全てが影響し合っていることを唱え始めます。そこから薬を使わずに手技により自然治癒力を引き出す医療哲学を考え出し、後にオステオパシーと名付けました。

 

オステオパシー医学には以下の主な4つの原則があります。

　１．身体は一つの単位である。一人の人間とは、身体、心、及び精神の単位である。

　２．身体は自己調節、自己治療、健康維持能力を持つ。

　３．構造と機能は相互に関与し合っている。

　４．合理的な治療は身体の調和、自己調節、及び構造と機能の相互関係の基礎原理に基
　　　づいている。　　　　　　　　　　　

 

100年以上も前に創始された医療哲学ではありますが、今もなお世界各国のオステオパシー大学の関係者や臨床家により進化し続けています。